はじめに
ホワイトニング治療は歯や歯肉に異常がない方にとっては、歯を削ることもなく簡単に歯を明るく白くできます。しかも大きな苦痛もなく、その効果は数年あるいはそれ以上持続します。
しかしながら、詰め物がとれていたり歯石がたくさん付着し歯肉炎がある方は、ホワイトニング治療に先立ち一般的な歯科治療が必要な場合があります。(詰め物の再治療や金属冠を白いセラミック等の冠にかえるなどはホワイトニング治療の後の方が良い結果が得られます)
すでに銀色の詰め物や冠がある方や、ブリッジその他数歯にわたる治療計画がある方は、ホワイトニングだけでなく統合的な治療計画を立てるのが良いでしょう。歯の色は個人差が大きく、色または歯の状態により治療期間が大きく異なりますので、初回の診断は大切です。
治療期間は3~4週間から数か月におよぶこともあり、それにより費用も異なります。
ホワイトニングの種類
当院では効果を最大化するため、オフィスホワイトニングの後にホームホワイトニングをおこなう
「デュアルホワイトニング」を推奨しています。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、レーザーや高濃度の溶液を使用することで短期間で歯を白くする治療のことです。
自宅で行う「ホームホワイトニング」とは異なり、専門の歯科医院で行います。
当院では第5世代のハイブリッドポリリンホワイトニングシステムを採用しています。
ホワイトニング後の食事制限がありません。
当院の常勤の歯科衛生士は全員ホワイトニングコーディネーターの資格を持っています。
CAPシステム本部の講師をお招きして実習・トレーニングを受けています。
診療の流れ
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診査
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口腔内写真
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シェイドの確認
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リトラクターを
つける -
薬剤塗布
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9分照射(3回)
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ふき取り
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口腔内写真
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シェイドの確認
ご予約可能日時
平日の午前中、平日の午後3時まで、土曜日の12:30
料金
45分 | 16,000円 |
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ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングとは対照的にご自宅でおこなえる治療法です。専門の歯科医院でご自身に合わせたサイズのマウスピースを製作し、ご帰宅後に専用のジェルをマウスピースに入れて使用することでホワイトニングを行うことができます。
診療の流れ
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院内で診査・診断
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院内で歯の
クリーニング -
マウストレーの
お渡し
装着方法
- トレーを付ける前に歯磨きをします。
- 前歯の前面に接する部分にジェルを3mmほど出して付けます。トレーからはみ出さないようにご注意ください。
- 使用後はピストンを少し引き戻すことで不要なジェルの漏れを防ぎます。ジェルに蓋をして室温で保管してください。
- 歯にぴったり合うように装着します。つけている間は飲食・喫煙や、トレーをかみしめたりしないでください。トレーを付けた状態でも通常の活動は問題ありません。
料金
初回 (2週間分・トレー上下・ 歯磨き剤・トレーケース) |
20,000円 |
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2週間分 (ホワイトニングジェル2本・ トレー上下各1個) |
14,000円 |
2週間分 (ホワイトニングジェル2本・ トレーなし) |
10,000円 |
トレー単独(型取りなし) | 6,000円 |
トレー単独(型取りあり) | 11,000円 |
使用薬剤について
ホワイトニングに用いる薬剤の体への影響ですが、特に問題はありません。過酸化水素はオキシドールで知られているように消毒液として用いられており、また過酸化尿素は過酸化水素よりもマイルドな消毒剤なので新生児の口の中の消毒にも用いられる安全な薬剤です。
ホワイトニングの治療の効果は、過酸化水素(過酸化尿素)をいかに活性化するか、また長時間作用させるかによります。
オフィスホワイトニング
歯科医院での治療に用いる主な薬剤は過酸化水素です。これに二酸化チタンのような光媒や粘性を持たせる薬剤などを混合して歯に塗布し、光を照射します。
オフィスホワイトニングは、過酸化水素を活性化する方法をとります。歯の神経は熱に敏感ですから、歯科医院で用いる光照射器は熱量の少ないLEDタイプが主流です。さらに熱を出さずに化学活性力を高める光触媒:二酸化チタンの使用が注目されています。
ホームホワイトニング
家庭で用いるホワイトニングジェルの主な薬剤は過酸化尿素です。過酸化尿素は体温で分解され過酸化水素に変化します。一般的に就寝中に6~8時間マウスピースに入れて使用しますが、夜間に使えない方用として日中に使うタイプのジェルもあります。家庭では特殊な器具が使えませんから、なるべく長時間(6~8時間)使用することが有効です。(8時間以上経つと薬の効果がなくなります)
ホワイトニングは家庭で行う場合(ホームホワイトニング)は長時間に及びますが、米国では数十年間にわたり同様の治療がおこなわれておりますが何ら不都合な報告はありません。健康に悪い影響を与えるという報告はありませんが、妊娠中や授乳中の方のホワイトニング治療はおすすめできません。
よくあるご質問
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Q
ホワイトニングって痛くないの?副作用はないの?
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A
治療期間中に感じる深い症状として知覚過敏があげられます。半数近くの人に起こりますが、数時間で消失し症状が進行することはありません。また、薬剤による歯のダメージはありません。アメリカでは二十数年間で数千万人が治療を受けていますが問題は報告されていません。しかし、妊産婦と若年者は影響が未知数ですので避けておくべきです。
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Q
ホワイトニングの効果はどれぐらい持続しますか?
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A
一般的には3~5年あるいはそれ以上効果が持続します。もとの色に戻ることはありませんが、生活スタイルや加齢現象により若干後戻り(治療前の色に近づく)ことがあります。しかし、定期的にタッチアップすることで白さがよみがえります。
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Q
ホワイトニング治療期間はどのくらいかかるの?
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A
通常は4週間ですが、治療状況に応じて期間を延長しても問題ありません。
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Q
ホワイトニングをしていたら、歯に白い筋や点ができたのですが大丈夫ですか?
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A
上記の症状はそれぞれホワイトライン、ホワイトスポットといいホワイトニング中一時的に出現することがありますが、治療が進むにつれ消失するので大丈夫です。
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Q
ホワイトニング剤を飲み込んでも大丈夫ですか?
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A
50cc位飲用すると下痢を起こす可能性はありますが、治療に使用するのは少量であり、嚥下するのはごく少量のため大丈夫です。
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Q
ジェルの濃度による効果の違いはありますか?
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A
ホワイトニング効果は濃度×時間です。濃度が高いほど早く白くなるので治療期間は短縮されます。ただし、知覚過敏の出現頻度も高くなります。
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Q
ホワイトニング剤の保存方法・消費期限は?
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A
過酸化尿素のジェルは冷蔵保存もしくは風通しのいい直射日光の当たらない場所で保存していただければ一年半から二年程度は保存できます。過酸化水素のジェルは冷蔵保存していただいて、半年程度です。
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Q
ホワイトニング剤の成分を教えてください。
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A
主成分は漂白剤である過酸化水素、または過酸化尿素です。(過酸化尿素は分解されて最終的に過酸化水素になります)その他、保湿剤や増粘剤、固結防止剤などが入っています。
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Q
妊産婦のホワイトニングは避けた方がいいと聞きましたが、授乳中はどうですか?
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A
授乳中も影響が未知数ですので、避けておいた方がいいでしょう。
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Q
オフィスホワイトニングだけでも白くなりますか?
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A
ホームホワイトニングほどはきれいに仕上がらなく白濁しやすい上、後戻りも早いです。
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Q
ホームホワイトニングは夜間装着ということですが、就寝中困難な場合はどうしたらよいですか?
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A
昼間装着する方法もあります。歯科医師にご相談ください。
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Q
歯を溶かしませんか?
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A
今まで黄色くくすんでいた歯が白くなるので、歯の表面を溶かすから白くなったのではないかと考えている方もおられますが、歯科医師が使用する漂白剤は殺菌剤と同じ成分でできています。この殺菌剤はばい菌を構成する有機物質を分解する働きがあります。
漂白剤も基本的には同じで歯の表面に沈着した有機性の着色物質を分解します。歯の表面のエナメル質を構成している物質は漂白剤が分解することはありませんので、溶けるのではないかと心配する必要はありません。 -
Q
ホワイトニングが完了するまでの費用はいくらぐらいかかりますか?
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A
ホワイトニングに要する費用は保険が使えず、自費診療です。また治療期間と内容に個人差があるため、定額表示ができません。ホワイトニングは通常20歳以上が対象です。仮にすべての歯を補綴(冠による歯科治療)で行ったとすると、治療期間・苦痛・費用などを考えればとても経済的な治療方法です。
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Q
ホワイトニングとクリーニングの違いは何ですか?
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A
クリーニングはあくまでも歯の表面の着色や汚れを落とし、本来の歯の色に戻します。歯科医院でも専用器具を使ってのクリーニングが受けられますが、あくまで表層の汚れを落とすのみです。ホワイトニングは歯の表面を通り、内部まで作用が及ぶ歯科治療です。